浅野いにお、市川春子、種村有菜らがカバー描いた名作は?書店フェアの全貌明らかに
マンガ家8名が、ポプラポケット文庫のフェア「キミはまだ、名作の面白さを知らない」のために描き下ろしたカバーイラストが公開された。フェアは6月中旬より全国の書店で開催される。
「キミはまだ、名作の面白さを知らない」は、ポプラ社の児童向け文庫レーベル・ポプラポケット文庫より刊行されている名作文学8作品を、マンガ家たちによる描き下ろしの1コママンガをあしらった限定カバーで装い新たに刊行する企画。このたび、浅野いにおが夏目漱石「坊っちゃん」、板垣巴留がロフティング「ドリトル先生」、市川春子が宮沢賢治「銀河鉄道の夜」、衛藤ヒロユキがバウム「オズの魔法使い」、大童澄瞳がベルヌ「十五少年漂流記」、スケラッコが宮沢の「注文の多い料理店」、種村有菜がブライトン「おちゃめなふたご」、星野リリィがスティーブンソン「ジキル博士とハイド氏」のカバーを手がけることが発表され、そのイラストもお披露目された。各作家からはコメントが到着している。
またマンガ家たちによる描き下ろしイラストが入った「どこでも名作トート」8種を抽選で計400名にプレゼントするキャンペーンも開催。希望者は、対象商品の限定カバーに付属する応募券を用いて応募しよう。さらに6月17日から25日にかけて、Twitterでも「どこでも名作トート」が計64名に当たる企画を実施。ポプラ社ポケット文庫公式アカウントをフォローし、各賞品ごとに投稿される該当ツイートをRTすると応募できる。
浅野いにお(担当作:夏目漱石「坊っちゃん」)コメント
どこまでも真っ直ぐな気持ちを曲げない「坊っちゃん」。赴任先の中学校で次々と起こる珍騒動を軸に、ともすれば危なっかしいその正義感は、周りの大人達をおおいに引っ掻き回してゆく。江戸っ子らしい気っぷの良さと、「べらんめえ」で語られる大人達は極めて人間味に溢れ、辛辣ながらも人への愛情が深い。舞台となった松山の抜けるような空を想わせる、気持ちの良い作品です。
板垣巴留(担当作:ロフティング「ドリトル先生」)コメント
心が通っていなければ楽しい会話はできない。愛情深いドリトル先生だからこそ動物の言語を修得できたのだと思う。
市川春子(担当作:宮沢賢治「銀河鉄道の夜」)コメント
宮沢賢治はいつも、この世界と、遠い別の世界とを混ぜてお話を作ります。なのでわかるところとわからないところがあると思いますが、好きなふうに読んでいいと思います。この「銀河鉄道の夜」にも、怖かったり寂しかったり、きれいなものの中にちょっと嫌なものが混ざっていたり、なんだかわからないことがいくつかあるかもしれませんが、それはそのままにしておいて大丈夫です。いつか大人になり、なんか色々あった後もう一度読むと、驚くほどぜんぶわかるようになっています。それまで長い楽しみをくれるのが、宮沢賢治のお話のすごいところです。
衛藤ヒロユキ(担当作:バウム「オズの魔法使い」)コメント
世の中は強さや正しさだけでできているのだろうか? 高校生のころそんな疑問を持った僕がまず手にしたのは児童文学やファンタジー小説でした。家ごと竜巻で吹っ飛ばされた女の子が、ヘンな仲間たちとともに魔女に立ち向かう「オズの魔法使い」は、120年前に描かれたファンタジーの古典ですが、「ヘンでもいいんだ、変則もありなんだ、あと笑いも必要ね」と語りかけてくれます。これぞ生きる知恵だと僕は思います。あなたの人生にもヘンと笑いを!
大童澄瞳(担当作:ベルヌ「十五少年漂流記」)コメント
“SFの父”と呼ばれているジュール・ベルヌの書いた少年冒険小説! 自然・科学にも理解が深かったベルヌの書いたこの小説は、様々な気象や生物が少年達に立ちはだかる。少年達がそれらを乗り越えるのもまた、自然や科学を応用した頑張りなのだ。あなたが彼らの一員だったら、襲い来るたくさんの困難にどう立ち向かうだろうか?
スケラッコ(担当作:宮沢賢治「注文の多い料理店」)コメント
「注文の多い料理店」は昔から大好きなお話です。題名を聴いただけでワクワクしませんか? 「どんな料理がでてくるんだろう。」「行ってみたい!」って。しかし、そのお店には思ってもみない「注文」がたくさんあるのでした。宮沢賢治のお話の中では、りすや森が話しだすし、電信柱は行進したりと賑やかです。そして人間、動物、自然がみんな対等な関係にあります。その世界をみなさんに体験して欲しいと思います。
種村有菜(担当作:ブライトン「おちゃめなふたご」)コメント
真夜中のパーティとはなんと魅力的なことでしょう。可愛いケーキにお菓子たち、パジャマにガウン姿、何を話しても楽しい友達、そしてそれは大人には秘密なのです。とても些細ないたずら心は大きな経験と思い出になるでしょう。ぜひクレア学院に入学した気になってふたごと共に素敵な毎日を過ごしてみてはいかがでしょう?
星野リリィ(担当作:スティーブンソン「ジキル博士とハイド氏」)コメント
怪奇小説、または推理小説でもあるとても有名な古典作品です。読んだことのないみなさんもタイトルは知っていたりするのではないでしょうか。人間の善と悪の葛藤や理想の自分でありたいという願望が物語のテーマになっていて、今読んでもまったく色褪せることがなく楽しめる作品です。